事業再生には法的再生と私的再生の2種類があります
前者(法的再生)は、民事再生法や会社更生法など裁判手続きにより再生を図るものです。後者(私的再生)は、経営者の自助努力により再生を図るものになります。まずは後者の方法により事業再生を果たすことが可能か否か検討します。
現状分析をしっかり行います
今、会社がどういう状況にあるのかを分析し、明確に認識します。
その上で、その結果を踏まえ、では何ができるのか、事業再生へ向けての課題について解決策を導きます。「なぜ」を繰り返し、問題発生の根本原因をあぶりだすことにより、課題の解決・改善を図ります。
ステップは3段階
第1のステップは、資金流出を防ぎ、倒産の危機を回避する段階
第2のステップは、キャッシュフローの改善を行い、現金収支を黒字化、必要な資金を確保する段階
第3のステップは、売上を伸ばす、収益を増強させる投資を実行し、再成長・復活の道筋を図る段階
再生への道のりは数年掛かりです。しかし、根気強く、粘り強く、コツコツと「やるべきことをやる」ことが結果として再生・復活に繋がります。
企業再生、事業再生を実行する上で大切なことは、
◆いつ(タイミング)
◆どこで(場所・相手)
◆だれが(役割)
◆何を(目的)
◆どのように(手段)
◆どうするか(行動)
重要なのは、適切なタイミングで適切な方策を実行すること。
経営者ご本人の気持ち・マインドや会社の状況、交渉相手の思惑などを材料に判断していきます。
再生計画の策定は、「あっちを立てればこっちが立たず」の状況から最適解を導く作業です。法律や財務、不動産、金融等の知見から総合的に判断し、「今できることは何か、すべきことは何か」を探っていきます。
どうしたいか、何ができるか
事業再生手法を選定するにあたっては、まず第一に、財務を中心に事業全体の状況を把握、分析し、課題を洗い出すことを行います。
洗い出した課題に対する対処法・改善策を鑑み、法的再生しかないのか、私的再生でいけるのか、それとも破産・清算を採らざるを得ないのか否かを検討します。
再生スキームにおおよその目星がついたら、その実現可能性や債権者などから求められる内容などを考慮しながら、再生スキームを取捨選択し、これに則った再生計画案を策定していきます。策定後、当該計画を実行に移し、再生を図ります。
※緊急を要する場合、財務等の精査は後日行います。
なにはともあれ、資金繰り
会社再生初期では、キャッシュフローがマイナスにならないよう、資金繰りを考え、調整する必要があります。同時に、キャッシュを生み出す力(チカラ)を向上、改善させる手立てを考え、実行していきます。
会社は赤字でもキャッシュ(現預金)があれば潰れません。逆にキャッシュがなくなれば黒字でも倒産します。ついては事業再生初期、倒産回避の局面では、キャッシュフロー(現金収支)の改善がイの一番に解決しなければならない課題となります。
入金と出金の額とタイミングを把握し、入金については増やす、出金については減らす方法を考えます。いかなる方法をとるかは、そのリスクや実現可能性などを鑑み、注意して検討します。
とはいえ、キャッシュ不足の原因を無視することはできません。収益性の改善なくして根本的な解決なし、事業再生なし、です。
目標は収益力の回復
一時的なキャッシュフロー改善策で急場を凌いでも根本的な解決には至りません。
収益力の向上は事業再生を達成する上で逃げることのできない課題です。
ついては、売上の増加やコストの削減をどのようにして為し得るかを考えなければなりません。
勘定ひとつひとつを探りながら、できること、すべきことを実行していきます。
具体的にいうと、売上の減少ならば販売促進や営業体制の強化、新製品の開発が課題となるでしょうし、コスト面からすれば調達価額や労務費・人件費、家賃など、また借入金利息の額などが見直しの対象となりやすい項目です。
再生計画を考える・コンサルティングするにあたっては、改善・向上ができるか否か、できる場合にはその効果が債務弁済に十分なものかなどを総合的に勘案し、選択可能なスキーム、事業継続が可能となるスキームを構築していくことになります。
事業の再生を果たし、
社員また経営者自身の生活を守り、
お客様や取引先の発展に貢献し続けよう!
事業再生は病気と同じく、早期発見・早期治療に勝る療法はありません。
「うちの会社は小さいし、コンサルティングなんて…。」などと思われず、「まずい状況だな」と思ったら、お早目にご相談ください。
早めの手立てが事業や会社の再生をより容易にします。
あの時やっておけば、あの時知っていれば、にならぬよう。
何か問題が発生したとき、経営者の皆様から必ずといっていいほど聞く言葉です。
分からない事は聞いてしまう、知らないことは聞けばいい、そんな前向きな心持ちが会社を救います。