新事業進出補助金公募開始

ニュースの概要

昨日4月22日より、中小企業が行う新事業に対して補助してくれる中小企業新事業進出補助金の公募が始まりました。

 

補助金額は従業者数で分けられていまして、

 

従業者数20人以下 750万円~2500万円(賃上げ特例適用時3000万円)

従業者数21~50人 750万円~4000万円(同上5000万円)

従業者数51~100人 750万円~5500万円(同上7000万円)

従業者数101人以上 750万円~7000万円(同上9000万円)

 

と最大で9千万円と大きな補助金となります。なお、補助率は1/2。

 

申請の受付開始は令和7年6月頃の予定でまだ確定ではありませんが、締め切りは令和7年7月10日(木)18:00までとされているので1ヶ月まえくらいのタイミングで申請受付が始まるものと思います。

新事業進出補助金の要件

中小企業新事業進出補助金は、その名のとおり新事業の進出でかかる費用に対し補助をしてくれる制度となりますが、気になるのは何をもって新事業進出であるのか、というところ。

 

この答えは「新事業進出指針」なるものに定められていまして、その「手引き」で詳細な考え方を示してくれています。

 

このあたりの仕組みは先月終了した事業再構築補助金と似てますね。

 

中身を見てみますと、新事業進出とするに必要な要件が3つ書かれています。

 

①製品等の新規性要件

過去に製造等した実績がないこと。検討相談調査レベルの実施は「ない」ことになります。

 

②市場の新規性要件

自社にとって新たな製品サービス市場・顧客層であること。

 

③新事業売上高要件

新事業の売上高が現時の総売上の15%以上となる計画であること。

現時売上が10億円以上で新事業担当部門の売上が3億円以上の場合は10%でも良いようです。

 

はい、以上の3つです。

 

あれ、事業再構築補助金と瓜二つじゃないですか。。

要件がちょっと緩くなっていますが、これは形を変えた事業再構築補助金ですね。補助額が大きいのもそうですし。

 

 

新事業進出以外に必要な要件としては、

 

1.付加価値額の年平均成長率が4.0%以上の事業計画であること

2.一人当たりの給与支給総額の年平均成長率が最低賃金の年平均成長率を上回ること

3.上記または給与支給総額の年平均成長率が2.5%以上であること

4.事業所内最低賃金が地域の最低賃金より30円以上高いこと

5.次世代育成支援対策の一般事業主行動計画の策定公表を行うこと

6.対象の補助事業実施について金融機関から借り入れを起こす場合は、金融機関から事業計画の確認を受けること

 

基本的には以上になります。

賃上げ特例を受けたい場合は、給与支給総額を年平均6.0%以上増加&事業場内最低賃金を年額50円以上引上げることが要件とされています。

支払コスト中の給与割合が大きい会社さんですと、結構な負担増加となりますので使うべきか否かは慎重にご判断いただければと思います。

 

そんなビッグな補助金ですが、補助対象者について今一度確認しておきましょう。

こちらは、補助金の名でもある通り、基本的に中小企業さんを対象としたものになります。

 

中小企業の定義ですが、業種別に資本金又は常勤従業員数の要件があります。いわゆる一般的に中小企業と呼ばれる会社さんはだいたい当てはまるかと思います。

 

中小企業の定義表
中小企業新事業進出補助金公募要領より

なお、従業員が500人を超える製造、建設、運輸、その他業種、400人を超える卸売、300人を超えるサービス業または小売業、の場合は資本が10億円未満なら対象となります。だいぶ大きい会社ですけどね。

 

それと、注意しないといけないのは、過去の補助金との絡み。

新事業進出促進、事業再構築、ものづくりの各補助金を締切日(7月10日)から16カ月以内に採択された事業者、または締切日時点でまだ補助事業を実施中の事業者さんは対象外、となります。

 

事業再構築とか結構実施に時間掛かってたりしますからね、

まずはそこをこなしてから、ということになります。

 

他、過去の補助金で交付取消を受けたり、収益納付をしてなかったり云々とちゃんと対応してない事業者さんもだめです。(まあそうでしょうけど)

 

あと、従業員がいない事業者さんは対象外となります。

賃上げが目的の補助金でもありますので、対象外というのもわかるといえばわかります。

他、創業1年未満の事業者さんも対象外。

 

 

以上、だいたいのところはこのような補助金ですが、補助金額が大きいのは魅力的とはいえ、賃上げ要件が厳しいですね。

給与総額が4億円だとして年2.5%の賃上げだと年1千万円、最低3年間の事業計画ですから、ミニマム3千万円は給与コストが増加することになります。

3千万円の補助金を受けられたとしても人件費の増加分で消えます。

さらに社会保険料も別にありますから、むしろマイナス。

 

なので、売上に対する人件費割合の大きな飲食業さん等のサービス業や運輸、情報通信系などもちょっと不向きかもしれません。

 

卸売業や不動産業、建設業さんは労務費人件費割合が低めなので、昨今の賃上げ要件流行りの補助金はうまく使えるかもですね。あと製造業さん。他ピンポイントでパチンコ屋さんとか。

 

 

 

なお、4月30日14時からウェビナー形式で説明会があるようですので、申請を検討しているかたは参加しておきましょう。

https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/briefing

 

より詳細な内容は公募要領を確認ください。

https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/docs/shinjigyou_koubo.pdf

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