先日、公正取引委員会と中小企業庁が下請法に関するリリースをしました。
https://www.meti.go.jp/press/2024/10/20241001002/20241001002.html
リリース内容は、手形等の支払サイトの短縮に関するものです。
今年度実施した定期調査において、この支払サイトを越え、また短縮する予定がないとした親事業者がなんと600者もあったそうで、注意喚起を図る趣旨でのリリースとのこと。
下請法上、下請け業者に対する支払サイトは60日以内とされています。
これを越えたサイトは下請法違反になり、公取からの指導や調査が入る可能性が生じます。
しかし短縮する予定がないと回答するとはどれだけ面の皮が厚いのかと思ってしまいます。違法状態を放置して改善する予定有りませんといえる会社さんはコンプラ的にアウトでしょうし、公表されたりすれば取引先から問題視されるのは間違いありません。
指導を無視すれば中小企業庁や経済産業省管轄の補助金や入札などにも入れない、拒絶される可能性も多いにありますので、国や行政関係のかかわりのある商売をされている会社にとっては生き死にの問題になってしまいますので要注意です。
実際、昨年度では641者に対し1,304件の違反行為を確認、改善指導が実施されていて、そのなかの177者に対し下請け代金の返還が指示され、総額約4,600万円が実際に返還されています。
下請法は,適用の対象となる下請取引の範囲を
①取引当事者の資本金(又は出資金の総額。以下同じ。)の区分と
②取引の内容(製造委託、修理委託、情報成果物作成委託又は役務提供委託)
の両面から定めています。
下請けさんに業務委託していても、ウチは大企業じゃないから関係ないよ~と高を括っている方がいらしたら、それは大いなる間違いだと言わざるを得ません。
こちらを見てください。下請法における親事業者の定義をまとめたものです。(出典:中小企業庁)
たとえ資本金が1千万円という中小企業でも、下請事業者が資本金1千万円以下でしたら、親事業者となるのです。ついては、ほとんどすべての企業が対象となるといっても過言でない枠組みですね。
どんなサイズの企業さんであれ、少なからず下請けさんとの業務委託取引はあるはずです。ついては、経営者さんや経理財務担当さんなどにとっては知ってないとダメ、なお話ということになりますので、これを機会に下請法について今一度確認をしておきましょう。
参考文献:
公正取引委員会のガイドブック「ポイント解説 下請法」
事業再生、M&A、資金調達他経営コンサルティング
中小企業経営者と「ともに歩む」
池田ビジネスコンサルティング