事業再構築補助金第7回公募開始

ニュースの概要

事業再生コンサルがピックアップした補助金等中小企業関連情報の今回は、事業再構築補助金第7回公募のニュースです。

 

さて、2022年7月1日、事業再構築補助金の第7回公募が始まりました。事業再構築補助金は、

・新分野展開、

・業態転換、

・事業・業種転換、

・事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、

思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するものです。補助額が大きく魅力的なため、挑戦されている、また、興味を持っている事業者さんも多く、よく知られた補助金制度と思います。

 

なお、公募期間は、令和4年7月1日(金)~令和4年9月30日(金)の18:00まで、となっています。

緊急対策枠の新設

 

事業再構築補助金はこれまで6回公募が行われていますが、7回目の今回は変わった点がいくつかあります。

 

一つは、『原油価格・物価高騰等緊急対策枠の新設』です。

こちらは、

・新型コロナの影響

・原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響

を受け、業況が厳しい中小企業等が、

ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応した、

危機に強い事業への事業再構築の取組をする際、

これを優先的に支援する、というものです。

 

要件は、4つありますが、通常枠と異なるのは売上減少要件になりますね。

 

足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けたことにより、

2022年1月以降の連続する6か月間のうち、

任意の3か月の合計売上高が、

2019年~2021年の同3か月の合計売上高と比較して、

10%以上減少していること

また、コロナによって影響を受けていること

 

通常枠の売上減少要件が、

2020年4月以降の連続する6か月間のうち、

任意の3か月の合計売上高が、

コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して

10%以上減少していること等

 

となっているのと比べ、減少割合や合計月数の3か月は変わりませんが、対象期間が違っていますのでご注意ください。

 

緊急対策枠の補助金額・補助率は、従業員規模に応じて、最大4,000万円まで、補助率3/4(一部2/3)で支援する、となっていまして、補助率の高さに特徴がありますね。

補助金額は上限が通常枠より低くなっていますので、広く補助していこうという趣旨なのかと思います。

 

[緊急対策枠]

●補助金額

【従業員数 5 人以下】 100 万円 ~ 1,000 万円

【従業員数6~20 人】 100 万円 ~ 2,000 万円

【従業員数 21~50 人】 100 万円 ~ 3,000 万円

【従業員 51 人~】 100 万円 ~ 4,000 万円

●補助率

【中小企業者等】 3/4(※1)

【中堅企業等】 2/3(※2)

(※1)従業員数 5 人以下の場合 500 万円を超える部分、従業員数 6~20 人の場合 1,000 万円を超える部分、従業員数 21 人以上の場合 1,500 万円を超える部分は2/3)

(※2)従業員数 5 人以下の場合 500 万円を超える部分、従業員数 6~20 人の場合 1,000 万円を超える部分、従業員数 21 人以上の場合 1,500 万円を超える部分は1/2)

 

参考[通常枠]

● 補助金額 

【従業員数20人以下】100万円~2,000万円

【従業員数21~50人】100万円~4,000万円

【従業員数51~100人】100万円~6,000万円

【従業員数101人以上】100万円~8,000万円

●補助率

【中小企業者等】 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)

【中堅企業等 1/2】 (4,000万円を超える部分は1/3)

 

審査項目の見直し

また、今開から審査項目(再構築点)の見直しもなされています。

内容的には、

 

・既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスや足許の原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。【変更】

・本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか。【新規】

 

といったところです。

例として3つ挙げられていますので、以下ご参考に。

 

【例1:資源高による影響】

・フライ菓子などの製造販売業者。コロナの影響により実店舗への客足が減少していることに加え、原材料となる小麦粉、油などの価格が高騰する一方、商品単価の値下げが難しく、売上・利益率が減少。既存の加工技術を活かし、新たにドライフルーツの製品を製造する機器を導入。原油価格・物価高騰の影響を受ける体制から脱却し、新たな市場の開拓を図る。

 

【例2:直接的・間接的な輸出入の影響】

・明太子を製造・販売する事業者。コロナの影響により飲食店向けの販売量が減少していることに加え、原料であるタラの卵はロシア産が多くを占めており、製造量を縮小せざるを得ず、売上が減少。既存の加工技術を活かし、ねり天ぷらや出汁など国内産の水産物を用いた新たな製品を製造する工場を新設。輸出入の影響を受ける体制から脱却するとともに、既存の販売経路に加え、EC販売も駆使し、感染症等の危機に強い事業として事業の展開を図る。

 

【例3:海外送金や現地駐在などの諸問題による影響】

・機械部品の商社。コロナの影響により部品の調達に時間を要するなどの影響を受けていることに加え、ロシア企業と取引しているが、金融取引の制約によりロシアからの送金が止まってしまっており、ロシア企業からの代金を回収できない限り、コンテナを引き渡すことができず、売上が立たない厳しい状況。機械商社のノウハウを活かし、機械部品専用のフルフィルメントサービス(倉庫業)を行うためのシステムを構築。サービスの提供にあたっては、非対面での営業活動を徹底するとともに、取扱い商材のラインナップを大幅に増やし顧客層を拡大することでリスク分散を進めるなど、感染症等の危機の影響を最小限に抑えられるよう工夫しつつ、ロシア企業との関係に依存しない収入源の確保に取り組む。

 

終わる終わると噂されていた事業再構築補助金ですが、コロナもなかなか治まらず、ウクライナ戦争の影響やらあり、しばらく続きそうですね。

 

公募内容詳細は公募要領をご確認ください。

↓第7回公募要領

https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/koubo007.pdf

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