事業再生コンサルがピックアップした補助金等中小企業関連情報の今回は、事業承継・引継ぎ補助金の公募要領が公表されたニュースです。
令和3年9月17日、事業承継・引継ぎ補助金の公募要領が公表されました。
申請受付は2021年9月30日から、締切は2021年10月21日18時となっています。
事業承継・引継ぎ補助金は、事業再編、事業統合を含む事業承継を契機として経営革新等を行う中小企業・小規模事業者に対して、その取組に要する経費の一部を補助するとともに、事業再編、事業統合に伴う経営資源の引継ぎに要する経費の一部を補助する事業を行うことにより、事業承継、事業再編・事業統合を促進し、我が国経済の活性化を図ることを目的とする補助金です。
要は、「事業承継や引継ぎにかかった費用を補助してくれる」ものです。
具体的には、M&Aで仲介業者に支払う費用や、かかった専門家経費が中心でしょうね。
ただし、ここでいう仲介業者は「M&A支援機関登録制度」に登録された登録FA・仲介業者が支援したものに限る、とあるので、補助金を活用する場合は、その業者さんが登録されているかどうか事前に確認しておきましょう。
さて、補助対象となる事業承継のパターンですが、大きく2つあります。
一つは、経営革新。
経営革新も経営者交代型、M&A型に分けられます。
経営者交代型の要件は、
1.事業承継を契機として、経営革新等に取り組む者であること。
2.産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、一定の実績や知識等を有している者であること。
3.地域の雇用をはじめ、地域経済全般を牽引する事業等創業を契機として、引き継いだ経営資源を活用して経営革新等に取り組む者であること。
となっています。ぱぱっとどこでもできる感じではなさそうですね。
一方M&A型ですが、こちらは、
1.事業再編・事業統合等を契機として、経営革新等に取り組む者であること。
2.産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、一定の実績や知識等を有している者であること。
3.地域の雇用をはじめ、地域経済全般を牽引する事業等の事業承継を契機として、経営革新等に取り組む者であること。
と、経営者交代型同様、なかなか申請を希望するすべての会社さんに当てはまるものでもなさそうです。
補助率は1/2、補助金額は100万円~250万円(経営者交代型)、500万円(M&A型)となっています。
廃業や解体、移転などの費用がある場合は上乗せ(+200万円)があります。
そしてもう一つのパターンとして、専門家活用があります。
こちらも、買い手支援型と売り手支援型に分けられます。
買い手支援型の要件はこのような感じ、
1.事業再編・事業統合等に伴い経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした経営革新等を行うことが見込まれること。
2.事業再編・事業統合等に伴い経営資源を譲り受けた後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれること。
売り手支援型は、
1.地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業等を行っており、事業再編・事業統合により、これらが第三者により継続されることが見込まれること。
先程の「経営革新」パターンよりも要件がゆるやかですね。
あまり小規模な会社さんは該当しないように見えますが、そのレベル感については特に記載がないので、どの程度が地域経済全体に影響を与えるような規模なのかはわかりません。
従業員規模などが影響するのかな、とは想像しますが。
ちなみに補助率は1/2、補助金額は50万円~250万円(売り手支援については廃業時上乗せ200万円まで)
注意点ですが、両パターンとも、事業承継等の実施が、
交付決定日〜最長2021年12月31日(金)まで
とされており、この期間までにできないと対象となりません。
交付決定予定が2021年11月下旬となっていますので、実際に実施できるのは1か月間だけです。
事業承継やM&Aを1か月で終結させるのは通常無理です。
ついては、対象事業は簡単に済むものに限られてくるかなと思います。
さらに、交付決定前の着手も対象外となっていますので、事前に対応しておくこともできません。
正直とても使い勝手が悪いですね。(そういう予算組みなので仕方がないですが)
ちなみに電子申請(Jグランツ)のみの受付です。
電子申請を使うためには「gBizIDプライム」アカウントが必要です。
今、申請してからアカウントが取れるまで2週間くらいかかるそうですので、まだの方は早めに取得しておきましょう。
今回申請予定がなくとも取って損はないので、とりあえず取得だけでもしておいたほうが何かとよろしいかと思います。
以上、令和3年当初予算事業承継引継ぎ補助金のお話しでした。
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