では早速見ていきましょう。
まずは「実現可能性の高い抜本的な」の定義から。
これは『中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針』に具体的な記載があります。
番号でいうと、III-4-9-4-3でリスク管理債権額の開示という項目です。
下記がその内容です。
中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針
III-4-9-4-3 リスク管理債権額の開示
(2)開示区分
③貸出条件緩和債権
ハ.過去において債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として金利減免、金利支払猶予、債権放棄、元本返済猶予、代物弁済や株式の受領等を行った債務者に対する貸出金であっても、金融経済情勢等の変化等により新規貸出実行金利が低下した結果、又は当該債務者の経営状況が改善し信用リスクが減少した結果、当該貸出金に対して基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されていると見込まれる場合、又は当該債務者の債務者区分が正常先となった場合には、当該貸出金は貸出条件緩和債権には該当しないことに留意する。
特に、実現可能性の高い(注1)抜本的な(注2)経営再建計画(注3)に沿った金融支援の実施により経営再建が開始されている場合(注4)には、当該経営再建計画に基づく貸出金は貸出条件緩和債権には該当しないものと判断して差し支えない。また、債務者が実現可能性の高い抜本的な経営再建計画を策定していない場合であっても、債務者が中小企業であって、かつ、貸出条件の変更を行った日から最長1年以内に当該経営再建計画を策定する見込みがあるとき(注5)には、当該債務者に対する貸出金は当該貸出条件の変更を行った日から最長1年間は貸出条件緩和債権には該当しないものと判断して差し支えない。
(注1) 「実現可能性の高い」とは、以下の要件を全て満たす計画であることをいう。
一計画の実現に必要な関係者との同意が得られていること
ニ計画における債権放棄などの支援の額が確定しており、当該計画を超える追加的支援が必要と見込まれる状況でないこと
三計画における売上高、費用及び利益の予測等の想定が十分に厳しいものとなっていること
(注2) 「抜本的な」とは、概ね3年(債務者企業の規模又は事業の特質を考慮した合理的な期間の延長を排除しない。)後の当該債務者の債務者区分が正常先となることをいう。なお、債務者が中小企業である場合の取扱いは、金融検査マニュアル別冊「中小企業融資編」を参照のこと。
(注5) 「当該経営再建計画を策定する見込みがあるとき」とは、銀行と債務者との間で合意には至っていないが、債務者の経営再建のための資源等(例えば、売却可能な資産、削減可能な経費、新商品の開発計画、販路拡大の見込み)が存在することを確認でき、かつ、債務者に経営再建計画を策定する意思がある場合をいう。
書いてありましたね。
「実現可能性の高い」とは、計画の実現に必要な関係者との同意が得られていて、計画における債権放棄などの支援の額が確定しており、当該計画を超える追加的支援が必要と見込まれる状況でなく、計画における売上高、費用及び利益の予測等の想定が十分に厳しいものとなっていること、となっています。
「抜本的な」は、概ね3年(債務者企業の規模又は事業の特質を考慮した合理的な期間の延長を排除しない。)後の当該債務者の債務者区分が正常先となることをいう。なお、債務者が中小企業である場合の取扱いは、金融検査マニュアル別冊「中小企業融資編」を参照のこと、とあります。
ざっくりいうと、かっちりした厳しめの計画で、3年で債務超過解消ね、ということになります。
ただ、抜本的なの尚書きで中小企業の場合は別途参照せよ、となってますので、中小企業の皆さんはそちらの別途も確認しておかないといけません。
次回、その金融検査マニュアルを見ていきます。
池田
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