事業再生コンサルのコラム、今回の内容は事業再構築補助金です。
現在、事業再構築補助金第9回の募集期間中(3月24日18時締切)ですが、令和4年度第2次補正予算予算が12月に成立したことから、令和5年度も引き続き事業再構築補助金は継続することになりました。ついては、第10回も無事公募されるということですね。
第10回公募は新補正予算成立の初回となりますが、第10回では、7つの見直しや拡充が図られました。そのなかで目玉は「成長枠」と「産業構造転換枠」かと思います。
これまで事業再構築補助金は一定の期間における売上減少が必須要件(業況がきびしいから補助、再構築の趣旨)でしたが、この10回からは、売上減少要件のない類型枠が増加され、どのような財務状況であっても、事業再構築の意思がある会社さんは申請にチャレンジできるよう、間口が広くなりました。
補助金額が大きい事業再構築補助金を使いたい、チャレンジして新しい事業を始めたいが、そこまで売上が落ちておらず(これはこれですばらしいことですが)活用できなかった、地団駄踏んでいた事業者さんにとっては、ついにきた、というところでしょう。
さて、第10回で予定される応募枠ですが、全部で6類型となっています。
カッコ内は補助上限額と補助率です。
1.最低賃金枠(最大1500万円、3/4)
2.物価高騰対策、回復再生応援枠(最大3000万円、2/3(一部3/4))
3.産業構造転換枠(最大7000万円、2/3)
4.成長枠(最大7000万円、1/2)
5.グリーン成長枠(エントリー最大8000万年、スタンダード最大1億円、各1/2)
6.サプライチェーン強靭化枠(最大5億円、1/2)
1.と2.は業況が厳しい事業者さん向けで、これまで通り売上減少要件があります。事業再生の局面にあるような企業さんはこちらはまるでしょうか。
4.と5.は大規模賃上げ時に補助率が2/3に引き上げられます。また、補助上限が3000万円上乗せされます。
詳細はこちらの資料
事業再構築補助金令和4年度第2次補正予算の概要
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/r4_jigyo_saikoutiku_summary.pdf
をご確認ください。
応募の必須要件ですが、
A 事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む
B 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加
又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加
が全枠共有のものとなっています。
年平均3%とかですから、5年間の計画なら5年後には15%以上付加価値額が上がってないといけないことになります。
認定支援機関さんにも手伝っていただく必要がありますね。
さらに各枠それぞれ個別の要件がありますが、売上減少のない事業者さんには、
3.産業構造転換枠
4.成長枠
が使いやすいかもしれません。
成長枠は、市場規模が10%以上拡大する業種・業態への転換を支援するもの、
産業構造転換枠は、市場規模の縮小により、事業再構築が強く求められる業種・業態の事業者を重点的に支援するもの、です。
ただし、どの業種の事業者さんでも使えるわけではありません。
この「拡大、縮小する業種」というのがミソでして、事業再構築補助金事務局で指定されることになっています。
この指定から外れた場合は、独自で要件を満たす旨データを提出し認められなければなりません。
ついては応募可否はご自身の事業が指定されるかどうかにかかっているわけで、
それによって7000万円が左右されることになります。
取り急ぎ成長枠については、先だって公開されていました。
成長枠対象リスト
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/seichowaku_list.pdf
成長枠の活用を検討されている事業者さんは、ご自身の事業が当てはまるか、先ずはご確認ください。
産業構造転換枠の対象業種・業態についても順次公開される予定となっています。
公募開始自体は3月末ごろに予定されているとのことなので、それまでにはオープンになるでしょう。
以上、巷で話題の事業再構築補助金に関する情報でした。
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