事業再生コンサルコラム、今回は11月の13日から15日の3日間、東京有明のビッグサイトで行われていた以下4つの展示会の訪問記です。
Japan Home & Building Show 2019
JAPANTEX 2019
アジア・ファニシング・フェア 2019
トイレ産業展 2019
4つの展示会に分かれていますが、ざくっと、建物住居関係の展示会ですね。趣旨が曖昧になるので、こんなに分けることないのに、、と思うのですが、Japan Home & Building Showは更に、
・ジャパンホームショー
・ふるさと建材、家具見本市
・トイレ、バス、キッチン空間、設備フェア
・団地、マンションリノベーション総合展
・イノベーションオフィス
5つの展示会に分かれています。
開催場所はビッグサイト西展示棟です。
JAPANTEXはインテリアファブリック(布系)の展示です。
アジア・ファニシング・フェアのファイシングとは、家具も含めた家庭用品全般のことを指すそうですが、こちらはほとんどがベッドの展示でした。
トイレ産業展はその名の通りトイレ関係の展示。便器類とか仮設トイレなどが展示されていました。
展示は南ホールですが、西展示棟と直接行き来ができます。
他の展示会は、〇〇エリア、程度の展示量、サイズとなっており、展示会と銘打つにはちょっとボリュームが少ないように感じました。
実際はジャパンホームショーの展示が中心で、全体をジャパンホームショーと呼んでもよいくらいです。最近の展示会はなぜだか〇〇展という名前をたくさん付けたがりますね。
そのほうが出展社を集めやすいのでしょうか。さてさて。
早速見てまいりますと、住宅に関連した、
・設備
・建具
・外装材
・床材
・照明
などの展示がされていました。
ただ、特に目新しいものはなく、新しいといっても、既存の製品を少し改良した程度ものがほとんどです。構造強化の工法の紹介などもありましたが、構造材の使い方がちょっと変わったくらいで、いまいち面白みに欠けます。
内外装材としては石材の展示が多かった印象です。特に中国からたくさんの業者さんが出展されていました。おそらく安いんでしょうねぇ。
そのままのつながりでJAPANTEXへ向かうと、おもにカーテンの展示がされています。
布系で展示会というと中国企業の独壇場だったりすることが多いのですが、今回は日本企業も多く出展されていました。
トーソー、サンゲツ、東リ、立川ブラインドなどなど、もちろん中国・台湾の企業も出展されていましたが、日本の大企業が頑張って大きなブースを出されていました。
ただ、どうしても必要とされている技術であったりするもののない商品類ですから、日本企業が生き残れるイメージがどうしても湧きません。浮かぶのは中国企業にやられる姿だけです。
まだ品質的な安定性から日本企業が選ばれることもあるかもしれませんが、大部分は安い海外製品に取って代わられるのではないでしょうか。大きなビジネス転換をしていかないとまずい気がいたします。図体が大きいと簡単ではないかもしれませんが。。
ちなみに、大企業のブースがあり盛況のようでいて、南ホール全体では場所が余っている状態で、そこまで出展が集まらなかったのを見ると、業界的には行き詰まっているのかな、と感じたJAPANTEXでした。
さて、ジャパンホームショーにもどりますと、物ではなくサービスまわりでは興味を惹く展示がされていました。たとえば、
・建設会社向け業務代行サービスや
・現場情報共有システム、
・職人教育専門会社、
・立体図構築アプリ、
・住宅用3次元CAD、
など、なかなか新しいなと感じます。
共通点としては「人手不足」「省人化」なんでしょう。相反するキーワードですが、少ない人で回す、というところでは同じです。特に業務代行サービスなどは、仮住まいの手配や駐車場の手配、現場見学会の開催などを代行するとのこと。こんなことは普通に現場監督なり営業なりがやっていたことです。現場情報の共有もしかり、サービスとして成り立つくらい、少ない人で回す意識が高まっているのでしょう。
トイレ産業展については、仮設トイレの展示が中心です。
トイレというと、ついつい、TOTOやパナソニックなど便器メーカーを思い出しがちですが、仮設トイレ業界もなかなか新しい取り組みをしているようです。建設業界の調子が良いということもあるのでしょう。コンサートなど大規模なイベントなどが増えているのも追い風なのかもしれませんね。
西展示棟1階で催されていた、その他の展示会は、特に印象に残るものはありませんでした。
リノベーションだの〇〇フェアだの言っても、ただ施工したものを展示しているだけでは何をアピールしたいのかさっぱりわかりません。お金の無駄ですね。
さて、西展示棟の2階に上がります。
こちらではジャパンホームショーの内容に加えアジア・ファニシング・フェア、ふるさと建材見本市が開催されています。
アジア・ファニシング・フェアについては、ベッドの展示です。寝具ですね。
フランスベッドやシモンズとか、有名な会社も多く展示されていました。
といってもベッドですから、最新の、、といわれても展示会まで足を伸ばして見に来るようなものでもなく、人影はまばらで閑散としていました。
中国企業もそこそこ出展していましたが、暇だからか、展示のベッドで居眠りしているような輩が多かったです。しかしなんで中国企業の方ってガラ悪いんでしょうねぇ。展示会に行くたびに思いますけど、一体何しに来てるのでしょう。。「どうせ買わないんだろ」って顔してます、みんな。より一層近づかなくなります。これぞ悪循環。
閑古鳥なベッド展示会を過ぎると、木材の展示がされていました。
様々な地方からやってこられて、それぞれの地域の木材をアピールされています。
おらが村の材木見てくれ~みたいな展示ですね。
とても誠実に説明されていて好感は持ちますが、各地それぞれ製品に違いがわかりません。
その地域を積極的に選ぶ理由が見当たらないんですね。
地域でブースを出すのはいいですが、ここにもありますよ、というだけでは買ってもらうまでにはいかないのかな、と思います。
そのような中では、新潟県は加茂市が出展されていた木製サッシは面白いものでした。
材はベイマツだそうで、気密性はアルミと同等、断熱性・耐風性はアルミ以上の性能だそうです。
防火仕様もあるということで、すごいですね。
↓加茂木製サッシのウェブサイト
http://www.kamo-sash.jp/about.html
木材だけに落ち着いた素敵な外観です。
ただし値段はアルミサッシより割高とのこと、その差をどう考えるかですね。
個人的に、建物の外観はサッシに大きく左右される気がしますので、こういった洒落た木製サッシは好きです。
これで展示会全体を回った感じとなりますが、全体としては、住宅産業が向かう方向性が業界的にイマイチ定まっていない印象です。
今後日本の人口も減少し、新耐震、2000年の建築基準法改正後の住宅が増え、より強く、壊れにくくなっていることからすれば、新築をバンバン建てていくというモデルは成り立たないはずです。
少なくとも事業者数はかなり減少するでしょう。
そのような中、住宅ビジネスに生きる人たちが何を考え、どこに向かおうとしているのか、はっきりともふんわりとも見えなかったのは残念でした。
魚が減れば釣れる数も減るのは必然。
自然災害やマンションブームで潤っているいまだからこそ、
勝って兜の緒を締めよ、です。
以上、展示会訪問記でした。
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