8月の終わりに開催されていたJAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2019(ジャパン ディーアイワイ ホームセンター ショー 2019)に行ってきました。
この展示会は「DIY・ホームセンターに関係する幅広い商品を一同に集める日本最大級の住生活に関する総合展示会」です。
展示企業数は485社におよび、幕張メッセの4ホールを使用して開催されました。
最近、DIYが流行のきざしを見せているようです(「DIY女子」という言葉もあるとか)し、現在の情勢や今後の展開のヒントを得るべく見学にお邪魔しました。(ホームセンター業界はM&Aも活発なようです)
ちなみにホームセンター業界の売上高ランキングは以下のようになっています。
1位 DCMホールディングス 4,435億円
2位 コメリ 3,419億円
3位 コーナン商事 3,160億円
4位 ナフコ 2,255億円
5位 Lixilビバ 1,779億円
6位 ジョイフル本田 1,486億円
7位 島忠 1,411億円
8位 ケーヨー 1,321億円
9位 アークランドサカモト 1,052億円
10位 Olympicグループ 1,003億円
(2017-2018年 業界動向search.com調べ)
なかなか大きい業界ですよね。
DCMホールディングスはM&Aで大きくなった会社です。
2006年9月にカーマ、ダイキ、ホーマックの3社が経営統合してできました。
その後、ホームセンタータテヤマ、オージョイフル、ホームセンターサンコー、ホームエキスポ、サンワドーなど次々と子会社化し、2016年3月にはユニーグループ・HD傘下のユーホームの8店舗を買収。また、同年12月にはくろがねやを完全子会社化しています。
業界的には若干伸びてはいるものの、人口減など将来的に不安要素が多いため、規模の経済狙いでM&Aを積極的に仕掛けているようですね。
さて、本展示会ですが、なにが展示されているかというと、ホームセンターに置いてあるようなものが展示されている、というのがわかりやすい言い方かもしれません。
具体的にあげると、作業用品や水回り用品、家庭用品やホビー用品、ペット用品、車用品、工具、塗料、金物などです。ほか、DIY大賞入賞品の展示やDIYワークショップなどが行われていました。
行ったのが土曜ということもあって、家族連れが多く目に付きました。
ファミリー層でのDIYブームというのは実際あるのかもしれませんね。
また、どちらかといえば高年齢層、50代以上が多いでしょうか。女性も多くいらしています。
庭付き戸建てを持っている層と一致する感じですね。(50代以上の7割が戸建て保有※ただし10年前の統計)
全体的に展示物は最新の研究成果、プロトタイプのお披露目というよりも既に店頭に並んでいるようなものでしたので、「これは新しい!」と唸るようなものはあまりありません。(残念)
逆に進化型、アイデア製品などの展示はされているので、今の売れ筋や販売が期待できるものを探す視点で全体を見ていくことにしました。
海外(ほぼ中国)からも出展されていましたが、相変わらずのだらけっぷりでやる気ゼロ・スマホいじってばかりの説明員だらけで、さすがに閑散としていました。(大金かけて来る意味あるのか?!)
さて、個別に展示品を見ていきます。
全体的に分野バランス良く展示されていますが、工具類の展示が多いように思いました。
特にカッター、グラインダーについて多く展示されてます。
個人の需要が多くなったのが、小型の製品が注目されているようでした。
DIYとなると木工、というところもありますから、こういった個人向けの電動工具関連商品は伸びるかもしれませんね。
また、小さいブースではありましたが防犯グッズの展示があり、来場者の注目を集めていました。60代以上のかたが多くいらしたように思いますので、その年代は防犯意識が高いようです。
ほかに会場内で目立ったものとしては金物類。
継手パイプがどーんと展示されているのは初めて見ました。
そんなに需要があるのでしょうか?(あまり注目もされていないようでしたが。。)
見ていきますと、やはり全般的に商品にハッ!とする驚きが得られません。
なんとなく専門の枠にとどまって改良だけを進めている感じがいたします。
それはそれで大切ですが、行き着く先は「ガラケー」です。“兵どもが夢の跡”とならないように頑張って欲しいところです。また、そんな業界に殴り込む会社があったら面白いでしょうね。スマホみたいに業界を席巻するかもしれません。
DIY商品コンテストも催され、その優秀製品の展示もされていましたが、やはり工具類が多いですね。
ただなにか革新的な新製品、というよりこれまであった製品をより良くしました、用途を広げることができました、使用対象者を広げることができました、といったものが多く、あまり面白みがありませんでした。そのなかで異彩を放っていたのがミストシャワー。
SANEI㈱の商品ですが、水の微粒子が毛穴の汚れを流す、という謳い文句で、説明員さんも多く於いてアピールされていました。
ただ、これも大阪の㈱サイエンスさんが「ミラブル」という同様の製品を出しているんですよね。さらには同じような謳い文句。(「油性ペンも落とす!」というTVCMが流れているようですので、目にされたこともあるかもしれません)
会社の規模でいうとSANEIさんのほうが10倍大きいので、もしかしたらミラブルが売れたのを見て“頂戴した”(違かったらすみません)のかもしれませんね。(ちなみにSANEIさんも大阪の会社)
ネットで調べてみると、ほかにもミストシャワー的な商品はいろいろ出てきます。
うーん、これでDIY商品コンテスト優秀賞ってどうなんですかねぇ。。
いろいろみてきましたが、なんとなく商品的に進歩がなさそうなホームセンター業界、先にあるのはディスカウントストア化?それはM&Aも活発になるわけです。
そういえば昔、「なんでもあるけど、なんにもない」っていわれた流通屋さんがいましたね。
他山の石。
以上、DIYホームセンターショー2019展示会訪問記でした。
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