お久しぶりです。池田です。
ここのところ業務が立て込んでおりまして、なかなか記事を書く時間がとれず月間どころが季刊となっている今日この頃でございます。(楽しみにしてくださっているかたがいらしたら、すみません。。)
最近、顧問先の関係で外国法人が日本で法人設立する場合について質問を受けまして、いろいろと調べる機会がありました。
以下、必要な手続き、費用などについてまとめたものを公開したいと思いますので、せっかくですので皆さんのご参考にいただければと思います。
ちなみに設立からみの業務を代行仕事として行うと違法なので私は受けられません。
代行を依頼される場合は、登記なら司法書士、税務署関係なら税理士さん、行政に出す書類は行政書士さんにお願いしましょう。
なお、専門士業さんのご紹介は可能です。
【法人設立登記(法務局)】
※行う事業によっては事前に日本銀行に届け出を行う必要があります(武器、原子力関連、農・漁業関連等)
>必要書類
・外国企業概要証明書(定款、設立証明書、登記証明書、宣誓供述書など)
・外国企業代表者の署名証明書
・発起人の印鑑証明書(無い場合は署名証明書)
・定款
・登記申請書
・取締役の就任承諾書
・代表取締役の就任承諾書
・監査役の就任承諾書
・取締役の印鑑証明書(無い場合は署名証明書:本国行政もしくは本国公証人または大使館)
・資本金の払込を証明する書類(発起人の預金通帳の写し)
・印鑑届出書(法人印)
>要する費用(合計33万円~)
・定款認証料 9万円(公証人手数料5万円+収入印紙代4万円)
・登記申請料 15万円~(登録免許税は資本金の0.7%。最低15万円)
・司法書士手数料 7万円程度
・会社印鑑購入代金 2万円程度(実印、銀行印、角印)
>その他
・払込資本金1円~
※最低限は1円ですが、それでは設立に要する費用も払えないため、低くとも50万円~とすることが多いです。
※経営管理ビザを取得する場合は500万以上の出資または2名以上の常勤職員雇用が必要です。
>要する期間
申請から2週間程度で登記は完了します。
トータルで要する期間は、必要書類の準備がどれだけ早くできるか次第ですが、早ければ2ヶ月程度、通常は3~4ヶ月程度を目安と考えていただければ良いかと思います。
【法人設立後に必要な手続き】
法人設立した後にもいろいろと必要な手続きがあります。
主に税、社会保険関係です。
外国企業の場合は在留資格と外為法に気を付けなければいけませんね。
■税関係
☆税務署への届出
⇒法人設立届(法人設立から2ヶ月以内)
>必要書類
・定款コピー
・登記事項証明書
・設立時貸借対照表
・株主名簿
⇒青色申告の承認申請(青色申告控除を受けられる、赤字の繰越ができる)
⇒給与支払事務所の開設届(報酬、給与を税務上の費用と認められる)
⇒源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請(源泉徴収納付を毎月から年2回にまとめるられる→事務負担の軽減に繋がる)
☆都道府県税事務所及び市区町村への届出
⇒法人設立届
>必要書類
・各自治体所定の設立届出書
・定款コピー
・登記事項証明書
※税理士へ手続き依頼すると手数料5~10万円
■社会保険関係
☆労働基準監督署への届出
⇒労働保険関係成立届(保険関係が成立した日から10日以内)
⇒概算保険料申告書(保険関係が成立した日から50日以内)
☆公共職業安定所への届出
⇒雇用保険適用事業所設置届(事業所設置の日の翌日から10日以内)
⇒雇用保険被保険者資格取得届(資格取得の事実があった日の翌月10日まで)
☆年金事務所への届出(会社設立後10日以内)
⇒健康保険・厚生年金保険新規適用届
⇒健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
※社会保険労務士へ手続を依頼すると10~20万円
■在留資格関係
☆入国管理局への申請
⇒在留資格認定申請(経営管理ビザ)
>必要書類
・事業計画書の写し
・登記事項証明書の写し
・賃貸契約書の写し
・常勤職員雇用又は出資金500万円の要件を満たす資料(賃金支払資料や出資振込の預金通帳コピーなど)
※行政書士へ手続きを依頼すると手数料は15万円~25万円
■外為法関係(対象業種の場合)
☆日本銀行への届出
⇒株式持分の取得等に関する届出書
なお、日本貿易振興機構(JETRO)では外国企業誘致のための情報を提供しています。
日本での拠点設立方法についても、説明パンフレットや手続き情報、各種書式のダウンロードなどもできますので、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?
→ https://www.jetro.go.jp/invest/setting_up.html
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