お久しぶりです。池田です。
さて、わたしはコンサルタントとして、業界問わず種々様々な展示会に足を運び、業界動向や製品情報の収集に勤しんでいます。そこで得た情報は、顧問企業さんに対し活用しているわけでございますが、公開されている情報でもありますし、せっかくですので、本サイトにご来訪いただいた皆様にも情報を共有できればと思い、今年から訪問した展示会の情報を展示会訪問記として、こちらでお知らせしていきたいと思っています。
最初の訪問記は、JAPAN IT WEEK 春です。2019/5/8~10まで、ビッグサイトの西展示棟と青海臨時展示場にわかれて開催されました。AI/自動化展ほか情報セキュリティ、モバイル活用、WEBマーケティング、店舗・通販ITソリューションなどの展示されていました。
最終日お昼ごろ訪れましたが、時間が経つにつれ、会場は大変混雑度を増していたように感じました。なかでもAI/自動化展の混雑はいもを洗うようで、なかなか前に進めないほど。
訪れているのは、情シスのIT若手というよりも総務系の堅めなおじさま(50代)が多いように見えます。
情報セキュリティブースは大手が各々大きくブースを出していましたが、技術に寄ったブースには来訪者が少なく、SKYなどシステム一式提供するようなタイプは賑わっていました。(SKYはどこの展示会でも大きく出していますね。)
内容的には、基本的に各社同じくメールからの感染を防ぐ仕組みを提供していました。セキュリティレベルの設定、使いやすさで差別化している感じでしょうか。他、外部攻撃者のサイトアタック対応を紹介している会社もありましたが、こちらは少数派で関心は薄そうでした。(本来こちらのほうが対応が難しく重要なはずですが)
来訪者向け説明会で「本気でハッキングされたら防ぎようがない」「とはいえ何もしないのは不誠実」と本音をしゃべって営業マンに引かれている技術者がいたのはご愛嬌ですね。
メール感染などは、個別のPCセキュリティソフト入れれば十分に対応できるように感じます。むしろ利用者側のリテラシー面、IT教育のほうが重要に思えます。その方面でのサービス提供をしている会社もありましたが、地味なのかあまり関心を惹いていない感じではありました。
また、中小企業向けにITサービスまるごとパッケージのようなサービス提供を企画している会社もありました。(まだ企画段階とのこと。対象規模は100名~200名くらいの中規模。)情報システム部などないことが多い中小規模企業にとってはそれなりに需要があるのではないでしょうか。
データ活用サービスでは、ゼンリンの自動車動態管理・運行管理が面白いと思いました。地図情報提供サービスから得た莫大な交通データをAI分析し配車サービスに展開するなど、稼働率の向上、日報作成の自動化等で事務効率の向上が可能となり、すぐにビジネス展開できそうな内容でした。(荷降ろし時間なども設定でき、営業車やトラックにぴったり)
WEBマーケティングブースでは、チャットボットの売り込みが相変わらず多いです。IT系の展示会だとどこでも見かけるので、技術的には業者間でさほどの差はないのであろうと思いますが、どういうボット対応を導くか、というところで個性があるようです。
デジタルサイネージは以前と比べあまり活発でなさそうに見えました。
サイネージは看板躯体のようなものなので、システム屋さん自体はそれほど儲かるものではないのでしょうね。システム屋さんも広告代理店事業まで領域を広げて取り組むなら良いかもしれません。
RPAについては、エクセル管理のものの自動化、紙ベースのもののデータ化が多いです。基本的なやり方は、RPAツールにシナリオを入力し自動化する方式。
メール連携し受注請求業務を自動化できるのは、USACの「AUTOメール名人」だけのようでした。
手書き文字をデータ化するRPAはニーズある(少量ならエクセルに打ち込めば十分で削減される時間コストとの兼ね合いは微妙だが)ように思います。AI技術も用いており興味深いところですね。
ただ、全般的にエクセルマクロやACCESS活用とさほど変わりがないようにも見え、Roboticsという意味で実現されているのかというと少々疑問も残ります。
VB/A、SQLではむずかしい複雑な工程を自動化処理するという高次のRPAとPG言語に置き換えられる簡易ツールとしてのRPAの両面あるように感じるところではあります。
RPAというと目新しくて受けも良さそうですが、業務フローの見直しをこつこつとしっかり行うのが先ですね。(地味ですが)
以上、「JAPAN IT WEEK 春」展示会訪問記でした。
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