先日、官公需法に基づく契約実績の訂正がされたとの発表が中小企業庁のウェブサイトに載っていました。作業マニュアルをよく確認しなかったため、ということのようですが、それはさておき、せっかくの機会ですので官公需について調べてみました。
官公需法とは、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」のことを指しまして、中小企業者に官公需の受注機会を増やすことを目的とするものです。
国や独立行政法人、地方公共団体等が、物品を購入したり、サービスの提供を受けたり、工事を発注したりすることを「官公需」というようです。発注される側からすると国からのお仕事ですね。
この法律により、毎年どのくらい契約目標を置くかという方針が定められていまして、今年度は、
中小企業・小規模事業者との契約目標
比率:61%
金額:5兆3,557億円
とドデカイ金額になっています。5兆ですよ、5兆(笑)
参入したいけどどうせいつもの(談合)面子なんでしょ、という考えが脳裏をよぎりますが、どっこい新規中小企業者の枠も別途設けられています。
新規中小企業者向け契約目標
比率:3%以上
さらには賃上げ実現に向け、価格転嫁も積極的に認めてくれるようですし、できるならちょっとだけでも受けたいところですよね。これだけの規模ですから。
そこでどんな仕事があるの?というところですが、大きく分けると4つ。役務等、製造または物件の買い入れ、工事、物品の売り払いとなっています。役務の代表的なものはシステム関係の保守や調査事業です。製造・物件購入ですと備品や消耗品、本、印刷などがあります。工事は言わずもがなその名の通り工事。物品の売り払いは国有地とかの売却なので仕事を受けるという観点ではちょっと毛色が違うものですね。
必要なものは民間と変わりはないので、製品やサービスを売っている会社はほとんど対象になるのではないでしょうか。具体的にどのようなものが発注されているかは、「官公需情報ポータルサイト」で確認できるようです。
発注の方法については原則入札になります。入札の方法にもいろいろありますが、そのなかでも一般競争入札が原則です。なので入札に参加しないと5兆円は手に入りません(笑)
参加するためには、入札参加者名簿に登録される必要があります。
登録されるためには、申請して審査を通らなければなりません。
申請方法は国や都道府県、市町村、独法など発注機関ごとに異なりますので、入札したい機関に申請することになります。
ちなみに国の場合、審査の結果、A~Dまでランク付けされて、それぞれの格付けに応じた予定価格の競争入札に参加できるようになります。また、一旦資格が取れてしまえば、物品役務等に関する資格は他の省庁でも有効となっています(便利ですね)
官公需情報ですが、前にあげた官公需情報ポータル含め以下サイトで
入手できるとのこと。
①官公需ポータルサイト https://www.kkj.go.jp/s/
②政府電子調達システム https://www.p-portal.go.jp/pps-web-biz/UZA01/OZA0101
③調達ポータル https://www.p-portal.go.jp/
調達ポータルから「統一参加資格申請・調達情報提供サイト」および「政府電子調達システム(GEPS)」を利用することで、統一参加資格取得~契約・請求までをワンストップで行うことができるとのことなので、まずは調達ポータルを調べに行くのが良いですね。
民間の新規開拓や販路開拓はなかなか難しいのが現実です。既存を切り崩すのは容易ではありません。官公需に縁遠かった会社さんには、ちょっと準備はいろいろ必要ですが、官公需というのも新たな切り口として検討してみるのもアリ、だと思います。
以上、ご参考まで。
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