事業再生コンサルが注目した補助金等中小企業関連情報の今回は、新型コロナ対策資本性劣後ローンについての事前相談開始のニュースです。
二次補正予算の目玉の一つでもあった、政策金融公庫の新型コロナ対策資本性劣後ローンですが、事前相談が7月1日から始まっています。(取扱いは8月3日から)
利用条件は次のいずれかにあてはまる方です。
1.J-Startupプログラムに選定された企業又は中小企業基盤整備機構が出資する投資ファンドから出資を受けた方
2.中小企業再生支援協議会の支援を受けて事業の再生を図る方
3.原則として認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の指導を受けて事業計画を策定した方であって、かつ民間金融機関等との協調支援により事業の発展又は継続を図る方
新型コロナ対策資本性劣後ローンの詳細はこちら政策金融公庫のHPからご確認ください。
https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/covid_19.html#yushi
https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/pdf/shihonseiretsugo.pdf
とはいえ、そもそも資本性劣後ローンとはなんぞや、という方が多いかと思います。
まずはその説明から。
資本性劣後ローンとは、他の返済が済んでからでないと返済がされない借入のことです。
返済の順番が劣る(おとる)借入(ローン)なので、劣後ローンといいます。
資本性、というのは、金融機関の査定上、自己資本とみなすことができる、という意味です。
なので、必要な金額を借りたいけれど、そのまま借りると自己資本比率などが低くなり、審査に通らない場合などに有用です。
ついては、銀行など他の金融機関の融資とセットで検討されることが多いです。
また、資本と言っても株式ではないので、資本構成・持株比率が変化することもなく、便利です。
今回の新型コロナ対策資本性劣後ローンも、元金は期限一括償還で月々の払いは利息のみとなっています。ちなみに無担保・無保証です。
とても都合のよい借入なので、裏腹に金利は1.05%~4.80%と少々高めです。(利益が出ていたら高いほうの金利が適用されます)
返済期間は5年、10年、20年のいずれか。
融資限度は7,200万円で、他の融資とは別枠です。
ただ、とても有利な借り手にとっては好都合なローンですから、コロナ支援といえどもおいそれとは審査に通らないと思います。
また、利用対象も先に記載したとおり、なかなか高いハードルが設けられています。
普通の事業者がぽっと申し込むなんてことはかないません。
基本的には、銀行などにローンの申し込みに行って、「おたくさんの財務状況だとそんなに貸せないですが、公庫の資本性劣後ローンで補完すれば必要額を満たせるかも」みたいな話のなかで申し込みに流れる、という感じか標準的と思います。
(ファンドから出資を受けたような会社は少ないでしょうし、再生支援協議会の支援を受けている会社さんもそんなにはいないでしょうから)
ちなみに認定経営革新等支援機関は、税理士さんや公認会計士さん以外にも、銀行さんなど金融機関も支援機関となっています。銀行さんの指導のもと事業計画を作れば事足りますので、前述の通り、銀行さん相談からのーという流れが普通でしょうね。
以上、新型コロナ対策資本性劣後ローンの情報でした。
事業再生、M&A、資金調達他経営コンサルティング
中小企業経営者と「ともに歩む」
池田ビジネスコンサルティング