経営コンサルタントコラム 2014年3月21日号

会社の心・技・体(しんぎたい)

先日、冬のオリンピック・パラリンピックが終わりました。

日本人選手のみならず、当代一流の選手の真剣なプレーは見る側に感動や驚きを与えてくれますね。

フィギュアスケートの羽生選手と浅田選手の明暗対比はスポーツの厳しい面を見せつけられた感じがいたしました。

 

スポーツ選手などが最高のパフォーマンスを生み出すために必要とされている要素として、心・技・体が大切と言われます。

 

たしかに精神、技術、体力、どれが欠けても能力を最大限に発揮することはできませんね。 浅田選手も「心技体が揃わなかった」とインタビューに答えられたそうです。

 

生物としての「ヒト」の最高峰であるスポーツ選手が大切という心技体、同じ人でも「法人」である会社に当てはめて考えるとどうなるでしょう?

 

「人」というくくりでは同じ両者、参考になる部分はあるはずです。

以下、ひとつずつ、考えてみましょう。

 

まず、「心」。

 

会社でいうと、企業理念や経営理念など、会社として大切にしている思考がまず浮かびます。

理念や信念は会社としてどのような行動をするか、行動の指針につながります。

行動するのは誰か、というと人ですね。

となると会社の心は究極的にはそこで働くヒトそのもの。

 

次に「技」。

 

これはわかりやすいですね。

製造業ではまさに技術でしょうし、サービス業でも技術、質の高さは必要です。

 

新たな製品を開発する力としての技術、顧客満足につながるものを紡ぎだすための技術、最新設備やナレッジ、ノウハウが会社にとっての技術と言えるでしょう。

全般的には「モノ」と言えるかもしれません。

 

最後に「体」。

 

会社で体力がある、というと、一般的には財務面での強さを言います。

つまりは「カネ」です。

売上とかコストとか、その辺ですね。

人の観点で言えば、組織や内部の制度・仕組みでしょう。

 

つまり、スポーツ選手のいう「心・技・体」は、会社でいうところの「ヒト・モノ・カネ」。

 

スポーツ選手が心技体のバランスが取れていないと能力を発揮できないのと同様、会社でもヒト・モノ・カネがバランスされていないと、最高のパフォーマンスを継続的に発揮することはできないでしょう。

 

では、ヒト・モノ・カネがバランスされていないとどうなるか。

 

能力のある人材がいなければ高付加価値なサービスや製品を生み出すことは困難でしょうし、付加価値の高い商品がなければ、利益は生み出せません。

利益が無ければ、投資ができないので、人材教育や開発環境にお金を使うことがままなりません。

となると、能力の高い人材を確保するのがむずかしくなる。

ついては高付加価値な製品やサービスを生み出せない・・・。

 

と、ある意味負のスパイラルに落ちていきます。

 

逆に、高次にバランスされればされるほど、それだけ会社は成長していきます。

 

こんな感じですね。

 

良い人材⇒高付加価値商品⇒利益計上⇒人材投資⇒成長⇒更に高付加価値商品⇒利益⇒人材投資⇒成長⇒更に…

 

お金もない、たいした製品もない、従業員はバカばかり。

これだからウチはどうしようもない、と嘆く(愚痴る?)社長さん、多いです。

 

ではどうやって負のスパイラルから抜け出すのか?

そのキーは人にあります。

 

会社の再建や再成長を目指す企業には、この心技体に足りない、不足している部分が必ずあります。

中小企業の皆さん、会社の心技体を鍛え、ヒトモノカネをレベルアップし、持続的に成長できる仕組みをぜひ作っていきましょう!

 

池田輝之

 

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