経営コンサルタントコラム 2012年9月29日号

欠損金繰越期間伸長の意味(3)

◆再生局面における繰越欠損金活用の意味と効果(その1)

 

前回、再生計画を立てる上で繰越欠損金を無視できないとお話しましたが、

今回は再生の局面で欠損金の繰越がどのような効果を持つか、についてお話します。

 

金融機関等の支援・協力の下、何とか頑張って、少ないながらも利益を出し、再生の軌道に乗せてきた企業さんがいたとします。

 

しかし、やっとの思いで作り上げた利益も、その40%は税金として持って行かれる(こういう表現が妥当かどうかは別にして)ことになります。

借入金返済分は、利益から法人税を引いた残りの部分から捻出することになります。

 

もし法人税が無ければ(虫のいい話ですが)、その分を借入金の返済や投資に充てられ、再生のスピードは一気に早まります。逆に言えば、法人税が再生の足かせになってしまっている面もあるわけです。

 

ここで繰越欠損金の損金算入が効果を発揮します。

 

例えば、A社さんに1億円の欠損金があるとします。これを繰り越せれば欠損金を使い切るまで、繰り越せる期間中は損金に算入できることになりますね。

 

年間利益1200万円なら1200万円分の損金を立て、利益をゼロにできる、税金を払わなくて済むわけです。

 

欠損金を繰越算入できなければ、法人税等で480万円が手元から出ていくことになります。これが手もとに残るわけですから、このインパクトは大きいですよね。

 

池田

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