事業再生コンサルのコラム、今回の話題は電子帳簿保存法です。
ところで皆さん、来年1月1日から施行される改正電子帳簿保存法の準備はできてますでしょうか。師走ももう終わりに差し掛かってきました。明日はクリスマスイブですね。そんな年の瀬、来月から経理まわりの処理が変わってきます。
電子帳簿保存法、耳・目にしたことありますか?
これ、何をしなくてはいけないかというと、
「データでもらった請求書は、データで保存しなくちゃいけない」
ということになります。
たいていの会社さん(特に中小企業さん)はデータでもらった請求書を紙でプリントアウトして、それをもって処理に回している感じと思います。
保管も紙ですよね。これが"いけない"ことになります。
さて、説明していきましょう。
電子帳簿保存法の改正内容としては3点あります。
1.帳簿書類を紙でなくデータで保存できる(電子帳簿等の保存)
2.紙で受領、作成した書類を画像データで保存できる(スキャナ保存)
3.電子的に授受した取引情報をデータで保存しなければならない(電子取引)
1.2.は紙保管をデータ保管可能とする要件の緩和がその内容なので、紙保管している限りは特に問題ありません。また、1,2は"できる"ということなので、やりたくなければやらなくてよろしいという話なのはいいですね。
注意しなければならないのは、"しなければならない"とされる、3.の電子取引です。
なにをしなければならないかといいますと、
令和4年1月以降に請求書、領収書、契約書、見積書などに関する電子データを送付・受領した場合は、その電子データを「一定の要件」を満たした形で保存すること、が必要になってきます。
さて、この「保存の仕方の一定の要件」ですが、こちらは、
①改ざん防止措置をとること
~改ざん防止措置としては以下いずれかとなります。
・タイムスタンプ付与
・履歴が残るシステム導入
・改ざん防止のための事務処理規定を定める
②日付、金額、取引先で検索できるようにすること
~以下いずれかの方法でもOK
・表計算ソフトなどで索引簿を作成する方法
・規則的なファイル名を付す方法(フォルダ検索機能活用)
③ディスプレイやプリンタなどを設置しておくこと
~税務調査などで速やかに出力できるように
の3点となります。
来年1月1日に向けては、上記に対応いただくことになりますが、
事務処理規定と索引簿を整えて、印刷できるようになっていればOKです。
ただ、データの保管期間は7年となりますので、各自判断でデータやフォルダを削除したりすることのないよう、保管の方法、管理フローは個別PCの管理でなく、共有フォルダ上で一括管理するなど、事務処理規定を考え実行しないといけません。
年末ばたばたとするタイミングではありますが、まだ対応してないよーという事業者さんは早めに準備しておきましょう。
資料を添付・参考リンクを記載いたしますので、ご参考まで。
・国税庁パンフ「電子帳簿保存法が改正されました」
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021005-038.pdf
・国税庁パンフ「電子データの保存方法をご確認ください」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0021011-068.pdf
・書式サンプル(索引簿、事務処理規定など)
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm
そうはいってもなかなか対応まで手が回らないよーという事業者さんの声を聞いてか、2022年税制改正大綱によれば、すぐに移行、対応できないような事業者さんについては、税務調査などの際にちゃんと出力した書面(つまりは印刷したもの)提出できれば、取り急ぎは紙でも良いことになりそうです。(90ページ付近に記載)
ただし令和5年の12月31日まで(2年は様子見てくれる)だそうなので、早めに対応しておいたほうがよさそうですね。
・2022年自民党税制改正大綱
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/policy/202382_1.pdf
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