事業再生コンサルコラム 2021年11月29日号

事業復活支援金が目玉~令和3年度補正予算案から

令和3年度補正予算案が公表

こんにちは。事業再生コンサルの池田です。今回のコラムは、中企庁の予算案から今後の支援策などを探っておこう、という内容です。

 

さて、さる11月26日、中小企業庁ホームページにて補正予算案の内容(中小企業関係)が公表されました。中企庁HP→ https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/index.html

 

予算規模でいうと4兆円弱(3兆8,594億円)となっています。令和2年度3次補正予算と令和3年度当初予算の合計が2兆3,951億円ですから、1.6倍に膨らんでいます。

さて、内容ですけども以下、予算規模順に見ていきますと、

 

1.事業復活支援金【2.8兆円】

2.事業再構築補助金【6,123億円】

3.生産性革命補助金【2,001億円】

4.資金繰り支援【1,403億円】

5.事業再編・再生支援【757億円】

6.事業環境変化への対応支援の強化【130億円】

7.災害からの復旧・復興【128億円】

8.「がんばろう!商店街」事業※既存予算で対応

 

となっています。

各施策の内容~目玉は事業復活支援金

事業復活支援金【2.8兆円】が目玉ですね。

こちらは売上が50%以上落ちた事業者に対する支援です。

で、気になる支援金額ですが、こちらは売上の減少率に応じて異なります。

上限額については以下。

 

■売上高減少率50%以上

・年間売上高1億円以下 100万円

・年間売上高1億円超~5億円 150万円

・年間売上高5億円超 250万円

・個人 50万円

 

■売上高減少率30~50%

・年間売上高1億円以下 60万円

・年間売上高1億円超~5億円 90万円

・年間売上高5億円超 150万円

・個人 30万円

 

補正予算成立後、準備期間を経て申請受付開始とのことです。

金額的にはそれほど大きなものではありませんが、逆に考えると申請すれば出るものとも言えます。

要件に当てはまる(売上が減少している)事業者さんは、せっかくですので貰えるものは貰っておきましょう。

 

事業再構築補助金【6,123億円】は来年も継続されます。

内容については、これまでと変わりませんが、売上が30%以上減少した事業者や事業再生に取り組む事業者に対し補助率を引き上げた(2/3→3/4)特別枠(最大1,500万円)を新たに設けるそうです。

 

ものづくり補助金で有名な生産性革命補助金【2,001億円】も継続です。

4つの補助内容(ものづくり、持続化、IT導入、事業引継ぎ)に変わりはありませんが、各々新たな取り組みもあるようです。

 

■ものづくり補助金

・回復型賃上げ、雇用拡大枠創設(補助上限最大1,250万円、補助率2/3)

・グリーン枠、デジタル枠の創設(補助上限最大2,000万円、補助率2/3)

■持続化補助金

・成長分配強化枠の創設(補助上限200万円、補助率2/3)

・新陳代謝枠の創設( 同 )

・インボイス枠の創設( 同 )

■IT導入補助金

・ITツールについて50万円までの分は補助率3/4に(50~350万円は2/3)

・PC等のハード購入補助(最大10万円、補助率1/2)を実施

・レジ等も対象に(最大20万円、補助率1/2)

■事業承継・引継ぎ補助金

・補助上限600万円、補助率1/2~2/3(変わらず)

 

資金繰り支援【1,403億円】も続くようですが、こちらはもうなかなか出ないという話をよく聞きます。一方、まだまだ出ますね、という話も耳にしますので、金融機関におかれては、個別企業の状況をよく見て判断されているのではないでしょうか。

 

事業再編・再生支援【757億円】は新たに出てきた予算です。

『事業再生支援ニーズの高まりに応じ、中小企業の私的整理等のガイドラインを年度内に策定。併せて官民連携のファンドや中小企業再生支援協議会の支援体制を拡充。』とのことなので、ほとんどがファンド用の予算と想像します。

昔よくあった中小機構さんが半分出される再生ファンド様の仕組みがまた始まるのではないでしょうか。(過去の結果は見ないということで、、)

 

ほか、「がんばろう!商店街」事業、事業環境変化への対応支援の強化、

災害からの復旧・復興、取引適正化等推進事業が予算案として記載されていますが、いずれも内容的にはいろいろな施策の周知や相談支援などの予算となっています。

うまく活用して

復活支援金は話題になるでしょう。

このコロナ不況で売上が3割落ちていないところは少ないでしょうから、ほぼバラマキといってよい内容と思います。ばら撒かれるものはしっかり拾っておきましょう。

 

IT導入補助金もPCやタブレット代も対象になるのは新しいですね。

これまでは他にも転用されるということで対象でありませんでしたから。

(なにがしか"縛り"を設けられるかもしれませんが)

 

個人的には、中小企業の私的整理等のガイドラインが策定される予定だ、ということなので、どういった内容となるか興味があります。

弱った企業が新たなガイドラインを活用して再生を図れるといいですね。

 

以上、中小企業関連の令和3年度補正予算について、コンサルタントコラムでした。

 

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