今回の展示会訪問記は、2019年6月26日から3日間、有明の東京ビッグサイト西棟と青海展示棟で行われたライフスタイル総合展です。
初日の26日午後に伺いましたが、(初日は空いているだろうという)予想に反し、けっこうな来場者数でなかなかに賑わっていました。
ライフスタイル総合展は、
第30回 文具・紙製品展 ISOT
第11回 ベビー&キッズ EXPO
第14回 雑貨 EXPO
第6回 ヘルス&ビューティグッズ EXPO
が西棟、
第10回 DESIGN TOKYO(国際デザイン製品展)
第10回 ファッション雑貨 EXPO 夏
第10回 テーブル&キッチンウェア EXPO 夏
第3回 インテリア&家具 EXPO 夏
が青海展示場で開催されました。
ちなみに、青海展示場は国際展示場駅ではなく、東京テレポート駅が最寄りになります。
西棟、青海展示場は無料送迎バスが出ています。(歩くと結構な距離ですのでおすすめ)
それでは、西棟から見ていきます。
まず、ベビー&キッズ、文具・紙製品ですがブースを出している企業のほとんどが中国企業です。
今回の展示会が国際、と銘打ってらっしゃることもあるかと思いますが、大多数が中国企業。ちょこっと日欧の企業も展示していましたが、数は圧倒的に中国ですね。
中国企業の特徴としては、どこも同じ、どれも同じようなもので、特異性はなく、よくあるものをいかに安く提供するか、というところで勝負しているようです。
対する日欧は、センスやデザイン、といったところで差別化していますね。
全体的には日本企業が持っているアイデア・企画を安く作るための中国工場探し、といった展示会様相です。
ひときわ賑わいのあったブースは、WEMOというウェアラブルメモを紹介しているところでした。
こちら、油性ボールペンで書ける、バンドタイプ/シールタイプのウェアラブルのメモとのこと。現場最前線で働かれている工事現場の人や看護師さん、お巡りさんのような方を対象に開発されたものです。
高分子技術に強みを持つ、東京のコスモテックという中小企業さんがデザイナーさんと組んで開発したもののようです。
自社の得意をデザイナーさんに活かしてもらって、新たな分野に挑戦する取り組みは興味深いですね。コスモテックさんに限らず、メーカーさんとデザイナーさんの交流がもっと拡がればと思います。
さて、雑貨のほうに目を移しますと、こちらも中韓企業がほとんどです。おもちゃやバッグ(なぜか縫製品がとくに多い)、バッヂなどの展示が多いように見えましたが、こちらも文具等と同様、作るのがさほど難しくない、どこにでもあるものを展示している印象で、コスト訴求一辺倒な感じです。
日本のメーカーさんも少しだけ展示されていましたが、和のテイストとデザインアイデア、質で勝負、という雰囲気ですね。
他、葛飾や足立の中小メーカーさんが、自社の製造・加工技術を生かして、おもちゃ等の雑貨を作ったものを展示されていました。耳かきなんてものもありましたが、医療機器製造に携わっているメーカーさんが作ったようでなかなか興味深いものでした。
次にヘルス&ビューティー、健康と美容ですね、こちらを見ていきます。
こちらは特にそうなのですが、本展示会はIT系の展示がほぼありません。
こういったモノ系も最近はICTだのIoTだの、IT系の技術が組み込まれたモノや関連システムの展示が主流になっているところ、まるで見当たらないというのもすごいですね。
そういう意味ではチャンスかもしれません。健康美容とIT、まだまだブルー・オーシャンのようですよ。
内容的には、フェイスマスクを使った美容系商品の展示が多いように思えました。また、水素水関連の展示も比較的大きめにブースを使ってアピールされていましたね。
あとは容器屋さんや材料メーカー、OEM屋さんが出展されていました。
青海展示場に移動しまして、開催されている各展示会を見て回ります。
インテリア、ファッション雑貨、テーブルウェア、デザイン、それぞれ同じくらいのスペースを割り振られており、バランスよく展示されています。(どれも似たような、隣接する商品ではありますが)
雑貨についてまず気がつくのは、やたらと傘とバッグの展示が多い、ということです。
どちらも縫製品ではありますが、そんなに需要があるのか?と疑問に思うほどでした。
アクセサリーなども置いてありましたが、単価が安いんですね。100円とか300円とか、これはかなり量をさばかないと食べていくのは難しそうです。
その中でちょっと異色なものですが、WEBショップ用の商品自動撮影システムが展示されていたました。こちらは、ネット通販用に商品画像を撮る際、背景切り抜きを同時に行えるので撮影時間が短縮でき、また画像品質を一定に保てるというのが売りとのこと。ECの運用やられている企業さんには面白がられるのではないでしょうか。
Orteryという台湾の企業さんで台東区に日本法人もあるそうです。
食器やナイフフォークの類は、普通のものは海外がほとんどで日本の企業の展示はほぼありません。和食器や土鍋、フライパンなどでは日本の企業も展示していますが、普通のものはインドや中国などのメーカーさんが主のようです。
デザイン関係では、燕の切削加工メーカーさんがデザイナーさんと組んで(タケダデザインプロジェクトと言うそうです)、様々金属製品を生み出されているようで、そちらを展示されていました。リーマン・ショックで売上が急減し、なにか他にやらないと、ということで始めて10年、少ないながらも成果が現れているとのこと。
文具でもありましたが、メーカーさんとデザイナーさんがコラボして新しいものを生み出す、という取り組みは相互補完的でいいですよね。
展示会ではデザイナーさんの出展があまりなかったので残念ですが、私もなにがしか機会を作ってデザイナーさんとの交流を拡げ、顧問先メーカーさんとつないでいきたいと思います。
以上、ライフスタイル総合展の展示会訪問記でした。
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