今回伺った展示会は、2019年6月12日~14日幕張メッセで開催された、Interop Tokyoです。
こちらの展示会は、
Interop Tokyo
Connected media 2019
デジタルサイネージジャパン2019
Location Business Japan 2019
アプリジャパン2019
の4つで構成されています。
私はちょうど中日の13日に訪問してきました。
会場の割り振りは、
ホール4~6がInterop
ホール7がデジタルサイネージ
ホール8が残り3つ
という区分けです。
Interopのボリュームが多く全体の6割、デジタルサイネージが2割というところ。
実際、残りの3つ、コネクテッドメディア、ロケーションビジネス、アプリジャパンは展示会場でも端のほうで目立つ感じではありませんでしたが、全体的には興味深い、最新事情が盛りだくさんの展示会でした。
アプリジャパンは極小のブースというか紹介パネルが、パビリオンとしてまとまって展示されていた分、多少なりとも賑わい感はありましたが、これはこれで狭いところに各社の説明員さんがすし詰め状態で、さらに売り込みにギラギラ必死感満載で見学に行くのも躊躇するほどでした。
展示の仕方や動線、スペースなどはもうちょっと考えたほうがいいですね。実際面白そうなサービスもちらほらありました。
コネクテッドメディアとロケーションビジネスについては、閑散としており、あまり興味をいただいていないようでした。産総研の自律走行ロボットがふらふら動いていましたが、特に注目を集めるわけでもありませんでした。
全般的に流行っていないホール8エリアでしたが、ロケーションビジネスのエリアでブースを出されていた、ウェブサイト多言語化サービスのWOVN.ioは面白そうなサービスと感じました。
こちらは、追加開発を行うことなく、既存のウェブサイトを多言語化(最大39カ国語対応)でき、運用も簡単に行えるというものです。
翻訳方法はAIによるリアルタイム機械翻訳、翻訳会社等によるプロ翻訳、WOVNローカライズチームによるWOVN翻訳と自社で行うセルフ翻訳の4つから選択できるようです。機械翻訳がどのようにアウトプットするのか興味深いですね。
コーポレートサイトはもちろんのこと、越境ECが多くなってきている昨今、ビジネスを海外へ広げていきたい方にとっては有用なのではないでしょうか。
もう一つ、ロケーションビジネスではスマホオリコミ(ジオロジック社)というサービスが興味を引きました。スマートフォンへチラシ配りの感覚で広告配信ができ、広告主のサイトへのアクセスで成果報酬というサービスとのこと。
エリア、年齢、性別指定できるそうですが、どうやって配信先データをとっているのか大変興味深いです。LINEとかツイッターとか多くの人が使う、なにがしかのアプリから情報をもらってくるしかそのような情報はとれないと思いますが、はてさてどうやっているのでしょうねぇ。ある意味怖いですが。
デジタルサイネージについては、広告代理店さんが顧問先であることもあり、興味津々にブースを回らせていただきました。
展示内容としては、液晶やLEDなど表示機械を売る企業さんと、配信システムを扱っている企業さん、合わせ技でやっている企業さんの3つに分けられます。
表示物については、シャープやパナソニック、三菱電機、ソニーなどの大手が目立ちました。
シャープの対話型のAIサイネージ(表示された店員風のアニメが対応する)は面白いものでした。AIに接客してもらうなんて、とても近未来的ですね。
ただ、中国のBOE社も積極的に展示していたように、中国などの安価に製造できる企業がキャッチアップしてくると、モノで日本企業が儲けるのはなかなか難しくなるかもしれません。モノを用いたサービス全体としてビジネスを描いていかないと厳しいと思います。アップルのように。作っているだけではだめでしょうね。
映像配信システムについては、中小規模のシステム屋さんも頑張って展示されていました。
なかでも、プロテラス社は映像制作から配信システム、表示物すべてをワンパッケージて対応されており、さらに初期費用負担なしの月々支払サブスクリプションモデルを訴求されていました。
これから始める、という方にはとっつきやすい、仕掛けと思います。実際、顧問先の広告代理店さんの事業領域拡大にもちょうどよいので、ご紹介しようと考えています。
さて、最後に一番大きなスペースを割いていたInterop Tokyoです。
こちらでは、以下4分野にわけた展示がされていました。
・セキュリティ
・AI,IoT
・SDI(シリアル・デジタル・インターフェース)
・学術研究
こちらで大きい展示スペースを使っていたのが、華為技術日本、つまりファーウェイです。
大きく出している会社の更に倍以上のスペースで積極的にアピールしていました。
技術的な紹介が主のようで、日本の技術者とみられる来場者も興味津々にブースに引き込まれていました。
政治的にはいろいろ取り沙汰されていますが、ファーウェイの技術というのはなかなかすごいものなのですね。
ほかに人だかりができていた(技術者の興味を引いていた)、目立つブースはZABBIX(ザビックス)のブースです。こちら展示会に来るまで知らなかったのですが、ラトビア(バルト3国ですね)の会社でネットワーク管理ソフトを展開している会社ですね。
なにやらこちらひとつでシステム全体を監視できるスグレモノのようです。
バルト三国、ラトビアはITビジネスやその環境の先進性で注目されていますね。
ほか、セキュリティについては、どこの展示会でも積極的に出展しているSKYや、マクニカネットワーク、NTT、住友電工情報システムなど国内勢も頑張っていました。ただ、どこも似たような内容で、違いはわかりにくい印象です。
セキュリティは、システム的な予防も大事ではありますが、役員や従業員へのセキュリティ意識に関する啓蒙活動が大切のように思います。そこまで、教育までセットにきめ細かくやるところはあまりないので、セキュリティシステム研修セット的なサービスもはメニューとしてあってもよいのではないでしょうか。
意外と中小規模の企業さんも技術寄りの展示、小規模な商品の展示をされていて、それはそれで興味深いものでした。個別個別の展示ブースで、来場者ともなかなかに盛り上がっていましたから、こちらの技術的知識が豊富であればもっと理解でき、より面白いものであったかと思います。
最後に、究極の何でも屋、大塚商会が結構広めにブースを出していたのは驚きでしたが、このことからも、ITに力を入れている(=つまり儲かる)のは間違いないですね。
以上、Interop Tokyo展示会訪問記でした。
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