今回訪問した展示会は、2019年6月5日~7日東京ビッグサイト西1~4ホールで開催された、電子機器トータルソリューション展です。
展示会の中身としては、
JPCA Show 2019(第49回国際電子回路産業展)
2019 マイクロエレクトロニクスショー(第33回最先端実装技術・パッケージング展)
JISSO PROTEC 2019(第21回実装プロセステクノロジー展)
Total Organic Devices Expo 2019(有機デバイス総合展2019)
WIRE JAPAN SHOW 2019(電気・光伝送技術展)
Smart Sensing 2019
JEP/TEP Show
上記のとおり、たくさんの展示会が設けられています。
こちら大きく分けると、実装、半導体関連、センサー関連の3分野となっています。
展示スペースでは半導体関連が3分の2程度を占めており、主たるテーマは半導体の様子。
実装はJUKIやヤマハ発動機、FUJI、パナソニックが大きなブースを出していました。(ほかには、川崎重工、タムラ製作所など)
製造装置各メーカーは、それぞれ同様に自動化、ロボット化、特に検査工程の自動化、AI活用を訴求しているようでした。メーカー間での違いはさほど感じません。
展示スペースの過半以上を占める半導体関連は、素材や部品の展示が多った印象です。
厳しく言えば、「こんなものを作っています」展示ばかりで、何が優れているのか、何を見てほしいのかがほとんどわかりません。
メーカー系は毎度往々にしてこのような感じですが、たとえ優劣を決めるのがむずかしくとも、何を見てほしいかのアピールくらいはしっかりすべきですね。なんのために出展してるか、理解に苦しみます。
また、外国企業によくあるタイプですが、「モノ見て興味あるやつは話しかけてこい」的展示・接客は客を逃していると思いますね。
(取引先探しなど)決め打ちで来ている客は少数で、いろんな可能性を探りにやってきているのがほとんでしょうから、可能性の「あたり」を少しでも捉えられるよう、展示では情報をいかに発信すべきか、興味を持って見てもらえるか、工夫すべきと思います。
センサー関連は小規模な感じで、研究者のかたたちの発表、紹介の場となっていました。
小規模ながらも近い将来普及拡大する技術である5G関連の展示は興味深いものでした。
全体的に半導体メーカーに対する営業展示会のようでしたが、実は主要な半導体メーカーのほとんどは海外メーカーで、トップ10で世界の4割シェアを持っています。
・2018年の半導体企業売上高トップ10 出典:Gartner,2019
1位 サムスン電子 15.9%
2位 インテル 13.8%
3位 SKハイニックス 7.6%
4位 マイクロン・テクノロジ 6.4%
5位 ブロードコム 3.5%
6位 クアルコム 3.2%
7位 テキサスインスツルメンツ 3.1%
8位 ウェスタンデジタル 2.0%
9位 STマイクロエレクトロニクス 1.9%
10位 NXPセミコンダクターズ 1.9%
シェア計40.7%
日本企業は東芝メモリと東芝を合わせれば8位になるくらいで、世界的に見ると弱め。
一方、製造装置においてはトップ10の半数が日本勢と健闘が目立ちます。
・2018年の世界半導体装置メーカー売上高トップ10 出典:VLSIResearch
1位 アプライド・マテリアルズ
2位 アスミル
3位 東京エレクトロン(日本)
4位 ラムリサーチ
5位 KLA
6位 アドバンテスト(日本)
7位 スクリーン(日本)
8位 テラダイン
9位 国際電気(日本)
10位 日立ハイテクノロジーズ(日本)
国内において、2018年の半導体製造装置販売額は2年連続史上最高値を更新とのことで、装置メーカーなのでしょう。
ただ、昨年まで続いた半導体バブルの崩壊の影響を受け、2019年については前期比41%減と大きく減少している
ようですので、今年はつらそうですね。
5Gや車載用など回復予測もあるようなので、そんなに悲観的ではなさそうですが、米中の貿易摩擦問題もあり、余談を許さない状況のようです。
以上、電子機器ソリューション展訪問記でした。
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