今回は7月24日~26日に東京ビッグサイト西展示棟と南展示棟で開催されたメンテナンス・レジリエンス TOKYO 2019の展示会訪問記です。
こちらはプラント・建設系が中心の展示会になっておりまして、テーマとしては、
1.メンテナンスレジリエンス TOKYO 2019
2.SUMMER TREND TOKYO 2019
3.雨対策WEEK2019
4.文教と公共の施設フェア2019
の4つ。
個別内容的にはとても幅広で、以下ご紹介しますと(()は副題【】はブース数)、
1.メンテナンスレジリエンス TOKYO 2019
・プラントメンテナンスショー(工場の設備管理、保全技術)【149】
・インフラ検査、維持管理展(道路、橋梁、トンネルなどの点検、診断、更新)【130】
・非破壊評価総合展(非破壊検査、モニター、評価、診断)【45】
・建設資材展(時代に求められる建設技術)【56】
・事前防災、減災対策推進展(国土強靭化推進支援)【20】
・i-Construction推進展(建設現場の生産性革命を実現し最先端工場へ)【22】
・現場支援システム、ツール特集(工場と管理、メンテナンスサイクルの生産性向上、効率化を目指す)【10】
・工作機械の予知保全、メンテナンス特集(ものづくりのプロセス革新を支える保全技術)【6】
・生産システム見える化展(人、モノ、設備、情報の見える化を支援)【42】
・自動化、省人化ロボット展(生産現場におけるロボット活用を推進)【14】
・労働安全衛生展(働く人が安全、健康、快適であるために)【45】
・再資源化、産業廃棄物処理展(産業廃棄物の「再利用」「処理」にフォーカス)【17】
・無電柱化推進展(「電柱がないことが常識」となるために)【30】
・肉体労働者の疲労回復展(人出不足、超高齢化社会において貴重な肉体労働者の疲れを癒やす)【8】
2.SUMMER TREND TOKYO 2019
・猛暑対策展(暑さをひんやりクールダウン)【79】
・“夏”の虫除け対策展(いや~な害虫から身を守る製品)【6】
3.雨対策WEEK2019
・防水技術展(建物と土木の漏水、防水の課題を解決する)【11】
・雨具EXPO(雨の日のお仕事、お出かけ支援)【5】
4.文教と公共の施設フェア2019
・文化遺産、施設総合展(文化遺産、文化施設の保存、復元、活用)【7】
・教育施設総合展(これからの未来の教育施設、サービス)【5】
となっています。
なぜだかとても細分化されています。
雨対策と公共の施設フェアはテーマ分けするほどの出展が果たしてあるのか少々疑問ですね。(特に施設フェアのほう)
ブースが多い順にならべると、
①149(22.7%)プラントメンテナンスショー
②130(19.8%)インフラ検査維持管理展
③79(12.0%)猛暑対策展
④56(8.5%)建設資材展
⑤45(6.9%)非破壊資材展
⑥42(6.4%)生産システム見える化展
⑦30(4.6%)無電柱化推進展
⑧22(3.3%)i-Construction推進展
⑨20(3.0%)事前防災、減災対策推進展
⑩17(2.6%)再資源化、産業廃棄物処理展
⑪14(2.1%)自動化、省人化ロボット展
⑫11(1.7%)防水技術展
⑬10(1.5%)現場支援システム、ツール特集
⑭8(1.2%)肉体労働者の疲労回復展
⑮7(1.1%)文化遺産、施設総合展
⑯6(0.9%)“夏”の虫除け対策展
⑰5(0.8%)雨具EXPO
⑰5(0.8%)教育施設総合展
計656ブース
と上位5種で7割を占めています。
スペース的にも同じような割り振りですね。
プラントメンテナンスエリアは数、スペースとも大きく、今回はプラントメンテナンスの展示会なんだな、と感じさせるものでした。
インフラ検査維持管理ブースについてもたくさんブースが出ていましたが、個別には小さい展示ブースが多いかな、という印象です。
南棟で行われた猛暑対策展は、ちょうど夏の暑さも本格的になっていたため、来場者の注目を集めているかな、と思っていましたが、意外とそこまで人の入りはよくない様子でした。(とはいえ、ミストや保冷、ファンが付いていたりする変わった冷却服などは見て回って面白かったです)
文化遺産施設総合展については出展数も少なくまた出展ブース自体も小さいため、アピール度はかなり低いものでした。
展示会全体を見るに、キーワードは「効率化」ですね。
材料については、軽く、強くすることで施工性のUPをアピールしていますし、直接施工方法自体を省力化する取り組みやサービスも展示されていました。
IT、ICT化もやはり省力化、効率性向上がテーマですし、そもそも人手不足の建設・プラント業界ですから、そちらの方向に進んでいくのは当然といえば当然。だからこそ、人を集められる能力がある会社は重宝されることになると思いますので、人材採用力がある会社は儲かるでしょうね。(固定費負担が増加するのを上手に避けられれば尚良し)
来場者の注目をひときわ集めていたのが、信越ポリマーの防食、防水テープでした。
こちら、自己融着性シリコーンゴムのテープで、これを巻きつけるだけで施工完了!という施工効率性の向上を謳い文句に、皆さんの関心を呼んでいました。
実際、糊付けなどもせず、パイプにくるくると巻き、最後もぎゅっと強く押すだけ、という簡単施工。これはたしかに楽ちんそうです。(剥がす場合はカッターで切るみたいです)
シリコーンゴムなので、耐熱性、耐寒性、耐候性、耐久性に優れるとのこと。パイプや継手の漏水補修に使うもののようです。
防水だけでなく、防食用の商品もあって、こちらも同じくシリコーンゴムを使ったもの。
難燃性や絶縁性も優れているとのことで、金属配管のねじ切り部、溶接部のメンテナンスに使われるようです。
他、大秦化工さんは小さいブースながらも注目されていました。こちらは「エアタイト工法」という防水防食工法を紹介されていました。
こちらの工法自体は10年前くらいに開発されたもののようですが、高い耐久性を有するとのことで、維持管理コストの削減が可能な点をアピールされていました。
用途としては、上下水道施設や水路、地下水汚染防止、水産施設や水族館といったところがあげられています。
点検や検査、メンテナンス系では、IT化、ICT化の提案が多かったです。点検等にはかなり人手が必要なようで、また危険でもあるとのことから、ドローンなどを用いた機械化やロボット化の提案が多く見られました。
非破壊検査の仕組みとして、電磁波レーダー、赤外線、X線、超音波、打音などを用いた装置やサービスも展示されていました。内部状況の調査が必要な性質から、このような方法が取られているのでしょうね。今流行りの、画像による検査、AI分析みたいなものだけでは足りないのかもしれません。
IT系では生産管理システムなども展示されていましたが、RPAツールや簡易なERPパッケージなどの紹介のみ少しされているだけで、あまり目立たず、来場者の関心も得られていないようでした。大物の機械や重機なども不人気でしたね。
最近の展示会の傾向としては、AIとかディープラーニングとか、ITからみの展示が注目を集めていますが、今回の展示会来場者の関心の方向は、施工技術や方法、素材に向いているようです。ある意味、まだまだ人が関与しているところが多い業界ともいえますね。
3Kなどといわれ、不人気の職種でもあり、若い人も減る中、人の確保は難しくなるのは間違いありませんから、省人化をいかにすすめるか、がポイントなのでしょう。
業界向けに省人化の技術やサービスを開発して売り込むと当たるかもしれませんね。
以上、メンテナンス・レジリエンスTOKYO2019の展示会訪問記でした。
事業再生等経営コンサルティングのご相談は
『中小企業経営者と”ともに歩む”』
池田ビジネスコンサルティング