今回は趣の異なる展示会2件の訪問記です。
2019年7月9日~12日に行われたFOOMA JAPAN(2019国際食品工業展)と7月9日~11日に開催されたSPORTEC×ヘルス&フィットネスジャパンに、7月11日(木)にお邪魔してきました。
FOOMA JAPANは副題に国際食品工業展とありますように、主に食品関連設備の展示会です。「アジア最大級の食の技術の総合トレードショー」とのこと、数多くの、大掛かりな工場ラインの展示がされていました。
来場者を見回すと、中韓、東南アジアなどアジア系の方が多くお越しになられていました。3割くらいはアジア系の方ではなかったかと思います(日本もアジアですけれど)
展示分野としては、
・原料処理
・菓子パン
・食品水産物
・麺類
・調理食品
・飲料、乳製品
・農産物
・豆腐
・発酵、醸造
・その他食品
・エンジニアリング、ロボット、IoT
・鮮度管理、品質保持
・包装充填
・保管、搬送、移動
・計画、分析、検査
・衛生対策、管理
・環境対策、リサイクル
・設備機器、技術、部品
・情報サービス、団体
の計20分野。
食品類の分野も食品自体の展示ではなく、その食品関連の機械設備の展示になります。
展示企業が最も多いのは、包装充填関係、次いで菓子パン、エンジニアリングが同じくらい、その後に衛生対策、管理関係となっています。
食品系だと包装充填系は需要が大きいのかもしれませんね。
FOOMA JAPANは有明の東京ビッグサイト(国際展示場)西棟および南棟で開催されました。
西棟だけでなく南棟を加えることで結構な展示面積になる気がします。おそらく、東棟すべて使ったのと同じくらいの規模感ではないでしょうか。(感覚値としてビッグサイトに行ったご経験がある方しかわからず申し訳ありませんが)
食品関係の展示会だけに、西棟屋上で臨時のフードコートが出ていましたが、時間の関係でいけずじまいでした。オーガニックコーヒーのお店や盛岡冷麺、豚丼、うどん屋さんなど10店舗ほど出店されていたようですね。
基本的に製造装置の展示会の様相ではありますが、小物類も総じてHACCP対応を訴求されていました。
HACCPとは、
Hazard Analysis and Critical Control Pointの略で、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようする衛生管理の手法。
従来の抜取検査による衛生管理に比べ、より効果的に問題のある製品の出荷を未然に防ぐことが可能となるとともに、原因の追及を容易にすることが可能。
HACCPを導入した施設においては、必要な教育・訓練を受けた従業員によって、定められた手順や方法が日常の製造過程において遵守されることが 不可欠。(厚労省資料より)
というものです。
内容的には結構きびしくて、昭和年代の古い工場なんかだとほぼアウトなんじゃないかなと思います。(ねずみが住んでたりとか)
最近、大手流通さんや多数の店舗を抱える企業さんと取引する際にはHACCP対応できていることが要件となっていることが多いので、製造メーカーにとって訴求力あるでしょうね。
異物混入対策等品質管理についても、多数の出展が見られました。
流行りのAIを活用した画像診断もありました(ニップンさん)が、内部まで検査が必要な製品特性上、X線検査が主流のようです。画像診断は形状のみでの活用に留まるようですね。
全体的に食品系はまだまだ人の手が多く要する分野のようですね。人件費も上がっていますし、省人化、省力化が喫緊の課題なのかと思います。菓子パン製造系の展示が多いのもそれだけ人に頼っている部分が多い製品だからなのでしょう。(そう思うと、某○崎製パンがいつもアルバイト募集してるのもわかります)
業種の特徴として水を多く使うよう(野菜の洗浄やらなにやら含め)で、排水処理、水処理関連の展示も多くされていました。
ちょっと変わったところでは、金属フィルターの展示をされている金属プレス屋さんがいらっしゃいました。排水用とのことでしたが、パッと見でなにか特別なものがあるようには見えませんでしたので、同業の方はまだまだ参入可能なところなのかもしれません。
以上がFOOMA JAPANの感想です。
次は、SPORTEC×ヘルス&フィットネスジャパン展示会です。
FOOMAとほぼ同時開催のこちらは、「日本最大のスポーツ・フィットネス・健康産業総合展」と銘打たれています。
内容的には、
・第28回ヘルス&フィットネスジャパン
・第6回ホームヘルス&ダイエットEXPO
・第4回スポーツウェア&用品EXPO
・第3回リラクゼーションEXPO
・第4回リハビリ介護予防サービスEXPO
で構成されています。
場所は東京テレポート駅のすぐ隣、青海展示場での開催です。
会場の6割強がヘルス&フィットネスジャパンで占められており、スポーツウェア用品EXPO、リハビリ・介護予防サービスEXPOが1割づつ、ホームヘルスダイエットEXPOとリラクゼーションEXPOは合わせて1割、あと残りのスペースでスポーツIoTパビリオン、スポーツフードパビリオン、プールパビリオン、次世代機能ウェア・素材パビリオンなどが設けられていました。
まず、FOOMA展示会と比べると来場者の雰囲気が全然違います。(当たり前ですが)
皆さんたいてい筋骨隆々でたくましいかたばかり。(またそれがわかるような服を着てらっしゃる)
こういってはなんですが、売上、とか、コスト、とか小賢しい商売の匂いがまるでしません。やはりスポーツマン、なんですねぇ。
フィットネス系の展示が面積的に多くを占めていますが、フィットネススタジオそのものを機械の設置合わせ展示されているので、必然的に広くなっているというのもあるかと思います。設けられたフィットネススタジオでは、フィットネスのコーチと生徒が踊る実演ショーもされていました。(音楽ガンガンでノリノリな雰囲気でした)
設備については、派手ではありましたが、何が他より優れている的なアピールは基本的にありません。(あってもデザイン性くらいでしょうが)
トレーニング機械、健康器具についてはいろいろとアピールされていましたが、事の信憑性はさてどうでしょう?
全体的に来場者は分散されていましたが、少し目を引いたのはプロテインやなにやらの食品系です。
展示面積の割には多くの来場者を集め、関心が高いようでした。
体作りは食事から、ということなんでしょうね。
結構高付加価値な感じでしたし、そもそも市場的にはニッチなところと思いますので、中小企業でも戦えるかもしれません。(大塚製薬とか森永製菓、協和発酵バイオなど大手もいますけれど)
原料系の下請け製造メーカーさんで下請け脱却を狙っているような会社さんは、うまくブランディングできれば面白い狙い所と思います。
他、スポーツウェア用品EXPOについては、出展企業のほとんどが中国企業でした。どの展示会でも縫製品は中国企業の存在感がすごいですね。この分野で日本企業が今更対峙するのは難しいですね。
どこでも流行りのIT関連、AIなどの展示はかなり少ないです。トレーニングマシンをIoT化するようなものの展示もありましたが、ごく少数ですね。あとは会員管理システムですとか(どこにでもあるやつ)。
ヘルス&フィットネスジャパン展示会は、フィットネス中心という少々特殊な展示会でしたが、こういった分野に興味があるかたの関心がどういったところにあるのか、を理解でき、面白いものでした。私もちょっと鍛えてみますかね。
以上、FOOMA JAPANとSPORTEC&ヘルス&フィットネスジャパン展示会訪問記でした。
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